今の日本って、どう思います?口を開けば、不景気、不景気。人々の間に格差が広がっているという。働く場所がなかなか見つからない人もいれば、働く気力を失ってしまった人たちもいる。頼りにならなそうな政治家に、麻薬で捕まった芸能人のニュースしか流さないメディア…。漠然とした不安が将来を曇らせ、見えなくする。ただ何となく、いつかこの国が「終了」する予感だけははっきりと感じ取れる現在。
小説「東のエデン」の舞台はそんな我々が住んでいるの同じ世界。主人公・滝沢朗は記憶を失った状態で目を覚ます。場所はアメリカ・ホワイトハウスの目の前、片手には拳銃、片手には82億円(!!)の電子マネーが入った携帯、そして何故か、全裸。まったく状況が掴めない滝沢は偶然出会った女子大学生・森美咲と共に日本へ帰国。そこで彼が目にするのは10発のミサイルで攻撃された東京の姿…。彼が手にしていた携帯は自分がオーダーした願いを電子マネーが尽きる限り頼むことができる「究極のコンシェルジェケータイ」。そして記憶を辿るうちに、自分があるゲームに参加させられていたことを知る。100億円が入ったケータイを日本のある12人にばらまき、各々に「日本を救う」という使命を課す。そして最初に「日本を救った人間」のみが生き残ることができる過酷なゲームに。
労働とは。お金とは。信頼とは。政治とは。国民とは。国家とは。100億円ゲームの果てに滝沢が見つける「この国に足りなかったもの」とは。AR(拡張現実)といった話題のキーワードを混ぜながら「今ここにある世界」を切り取った物語です。
そもそもこの東のエデンはフジテレビ「ノイタミナ」枠で放送されていた全11回の連続アニメ。原作・脚本・監督は、そしてこの小説の執筆はアニメ「攻殻機動隊S.A.C.シリーズ」の神山健治。そしてキャラクターデザインは少女漫画「ハチミツとクローバー」の羽海野チカ。これだけ “固いもの” と “やわらかいもの” がぶつかるなら、面白いものができないはずがない!!
ちなみにこのアニメでも小説でも物語は完結しません。話の続きは11月から劇場公開される劇場版東のエデン第一弾と、来年1月から公開される第二弾をもって完結。100億円の行方が気になる方は、とりあえずDVD(10/30から8話までのレンタルスタート)か小説で予習しておきましょう。


[...] This post was mentioned on Twitter by 川田十夢, Akira Fukuoka. Akira Fukuoka said: “100億円” と “全てを叶える携帯” で日本を救え。神山健治・小説「東のエデン」 http://bit.ly/3FpfQZ [...]